ふつうより敏感です


 最近、カウンセリングの場面で、「HSPって知ってますか?」「私はHSPなんじゃないかと思うんです」と、「HSP」という言葉を本当によく耳にするようになりました。親御さんの場合には、「うちの子どもはHSCかもしれない」というお話も多く聞かれます。芸能人の方の中に、自分はHSPだとカミングアウトされた方もいらして、SNSやメディアを通じて多くの人に広がってきている言葉です。


 ご存知ない方のために、念のためご案内しておくと、HSPとは「Highly Sensitive Person」の略で、日本語での正式な用語としては「環境感受性(感覚処理感受性)の高い人」という意味になります。さらに、それが子どもの場合には、「HSC=Highly Sensitive Child」と呼ばれ、意味はそのまま「環境感受性(感覚処理感受性)の高い子ども」ということになります。


 例えば、新しく買ってきた洋服のタグが気になって着られないとか、朝の強い光を浴びると極端に不安になってしまうとか、大きな音や声を聞くと心臓がドキドキしてやるべきことが手につかないとかといったように、環境から何らかの刺激の影響を「ふつう」よりもとても強く受け、「ふつう」でない状態になりやすい気質を持っている人のことをHSPと呼び、また特にそのような子どものことをHSCと呼びます。HSP(HSC)は、もともと心理学の概念ですから、心理学的な調査研究で実証されてきました(やや専門的な内容ですが、興味のある方はこちらをご参考ください)。


 それにしても、なぜ今この新しい心理学的な知見がここまで広く一般の人に知れ渡っているのでしょうか。また、元々この概念を使い始めたアーロン,E.N.という心理学者の著作がなぜこれほどまでに世界的なベストセラーになっているのでしょうか。


 このことは、前回話題にした、最近は「普通」が「不通」になっていることや、「普通」と「不通」のせめぎ合いが起こりやすくなっていることと、密接な関係があります。

畠山正文


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