「ふつう、こういうときはこうするよね」
「ふつうの感覚だとそういうことはしないはず」
「ふつうにやればいいんだよ」
「ふつうはさぁ~」
わたしたちは日常会話の中で、しばしば「ふつう」という言葉を口にしたり、耳にしたりします。
「ふつう」ってなんだろう?
そんなふうに疑問に思ったことはないでしょうか。
カウンセリングをしていると、そういう疑問はしょっちゅう生じます。だから、少なくともわたしは、人並み以上に「ふつう」とはなんなのかを真剣に考えている人間なのでしょう。
これを読んでいる皆さんの中には、そんなこと全く疑問に思ったことがないという人もいるかもしれません。
「ふつうは、ふつうだよ。当たり前ってこと。常識ってことだよ」という具合に。
それは、「ふつう」という言葉を、ふつうに使えているということなのかもしれません。
しかし、どうも近ごろ、「ふつう」はあまりふつうではなくなってきている感じがするのです。カウンセラーとしてのわたしの実感では、「ふつう」があまり通じなくなっている、つまり、「普通」が「不通」になってきている感じがします。
そして、この「普通」と「不通」のせめぎ合いの中に、わたしたちのストレスや悩みの種が潜んでいるようにも思います。
今回の「ふつうってなんだろう?」のシリーズでは、カウンセリングの中で話題に上がるいくつかのテーマを取りあげながら、わたしたちにとって「ふつう」とはなんなのか、どうして近ごろ「ふつう」をめぐってわたしたちのこころがせめぎ合っているのか、詳しくじっくりと考えていきたいと思います。
畠山正文
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