俳句は、五七五の音韻という限られた言葉によって無限に流れ去る刹那を切り取りとります。そして、切り取られた無限の時間が、言葉の奥からまるでじわじわともう一度染み出してくるかのように、その情感や質感をじっくり鑑賞するものです。
この立ち戻ってくる情感や質感に、イメージの力を借りて、生命を吹き込んでみようとの思いから生まれたのが、「4コマ de HAIKU」です。
とても有名な俳句(なかにはオリジナルの俳句に少しアレンジを加えたものもいくつかありますが)に、4コマまんがとしての新たな息吹きを吹き込んでみました。よろしければ、ご堪能ください。
- まどろみに宿る生命短夜や 夢も現も 同じこと 高浜虚子 もう窮屈になってしまった卵の中から雛鳥が外へ生まれ出ようと卵… 続きを読む: まどろみに宿る生命
- 予定と偶然の狭間で鏡餅 暗きところに 割れて坐す 西東三鬼 年神様がいらっしゃる、いわゆる松の内を過ぎると、鏡開きが… 続きを読む: 予定と偶然の狭間で
- 向き合うのにはワケがある真向ひにぢつととまれる金魚かな 富安風生 「あの人はどうしてあの時あんなことしたんだろう?」 「… 続きを読む: 向き合うのにはワケがある
- それでも暖かい光夕焼けに 唐紅の 初氷 小林一茶 冬の澄み渡った夕焼け空は、それは見事なグラデーションを描きます。… 続きを読む: それでも暖かい光
- 「にもかかわらず」と「だからこそ」とをつなぐこと蓮の香や 水をはなるる 茎二寸 与謝蕪村 「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という言葉をご存じでしょ… 続きを読む: 「にもかかわらず」と「だからこそ」とをつなぐこと